パクリばかり!?B'zやZARD、WANDS…ビーイング系アーティスト パクリ問題
ビーイング系アーティスト、とりわけ日本一売れたアーティストのB'zに集まる批判が「彼らはパクリばかり」というものだ。今回はこのビーイング系アーティストのパクリ問題に真正面から答えたい。
まず、パクリ問題でよく槍玉に挙げられる楽曲やパクリ疑惑のある人気曲をあげていく。
| No. | アーティスト名 | 曲名 | パクリ元アーティスト | パクリ元曲名 | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 発売年月日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | B'z | BAD COMMUNICATION | Led Zeppelin | Trampled Under Foot | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1989/10/21 |
| 2 | B'z | 愛しい人よGood Night... | モトリー・クルー | Home Sweet Home | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1990/10/24 |
| 3 | B'z | LADY NAVIGATION | Dan Reed Network | Tiger In A Dress | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1991/03/27 |
| 4 | B'z | LADY NAVIGATION | Bay City Rollers | Saturday Night | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1991/03/27 |
| 5 | B'z | Pleasure '91~人生の快楽~ | Men At Work | Overkill | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1991/03/27 |
| 6 | B'z | ALONE | モトリー・クルー | Time For Change | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1991/10/30 |
| 7 | B'z | もう一度キスしたかった | 坂本龍一 | 戦場のメリークリスマス | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1991/11/27 |
| 8 | B'z | ZERO | Eagles | Victim of Love | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1992/10/07 |
| 9 | B'z | 赤い陽炎 | Gino Vannelli | Love&Emotion | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1992/10/28 |
| 10 | B'z | RUN | Mr. Big | Daddy, Brother, Lover, Little Boy | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1992/10/28 |
| 11 | B'z | MR.ROLLING THUNDER | Aerosmith | Love In An Elevator | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1992/10/28 |
| 12 | B'z | Don't Leave Me | Aerosmith | Cryin' | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫・ 松本孝弘 |
1994/02/09 |
| 13 | B'z | Las Vegas | Van Halen | Panama | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 稲葉浩志・松本孝弘・大賀好修・寺内秀幸 | 2015/03/04 |
| 14 | ZARD | Good-bye My Loneliness | The Police | Every Breath You Take | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 1991/02/10 |
| 15 | ZARD | 負けないで | Daryl Hall | Dream Time | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 1993/01/27 |
| 16 | ZARD | マイフレンド | The Beach Boys | California Girls | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 1996/01/08 |
| 17 | ZARD | 心を開いて | オフコース | サヨナラ | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 池田大介 | 1996/05/06 |
| 18 | WANDS | 世界中の誰よりきっと | The Ronettes | Be my baby | 上杉昇・中山美穂 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 1992/10/28 |
| 19 | WANDS | 星のない空の下で | TOTO | Only the Children | 上杉昇 | 柴崎博 | WANDS | 1993/04/17 |
| 20 | WANDS | 天使になんてなれなかった | Deep Purple | Speed King | 上杉昇 | 柴崎博 | 葉山たけし | 1993/10/06 |
| 21 | WANDS | Jumpin' Jack Boy | Van Halen | Panama | 上杉昇 | 栗林誠一郎 | 葉山たけし | 1993/11/17 |
| 22 | T-BOLAN | Only Lonely Crazy Heart | BOOWY | ホンキー・トンキー・クレイジー | 森友嵐士 | 青木和義 | T-BOLAN、明石昌夫 | 1993/05/26 |
| 23 | T-BOLAN | SO BAD | GUNS N' ROSES | Welcome to the jungle | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN、明石昌夫 | 1992/11/11 |
| 24 | T-BOLAN | SHAKE-IT | Primal Scream | Rocks | 森下桂人 | 森友嵐士 | T-BOLAN、明石昌夫 | 1995/08/28 |
| 25 | 大黒摩季 | 永遠の夢に向かって | Deep Purple | Smoke on the Water | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 1994/10/05 |
| 26 | 大黒摩季 | 永遠の夢に向かって | Sheree Jeacocke | Woman's Work | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 1994/10/05 |
| 27 | 大黒摩季 | ROCKs | モトリー・クルー | Shout at the Devil | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 1994/11/09 |
| 28 | 大黒摩季 | ら・ら・ら | モトリー・クルー | Don't Go Away Mad | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 1995/02/20 |
| 29 | 大黒摩季 | ら・ら・ら | The Police | Every Breath You Take | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 1995/02/20 |
| 30 | 大黒摩季 | OH・MENI・MITE・YO!! | The Beatles | Ob-La-Di, Ob-La-Da | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 1997/08/06 |
| 31 | TUBE | Beach Time | 松田聖子 | 青い珊瑚礁 | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 1988/04/30 |
| 32 | TUBE | HAVE SOME FUN TONITE | KUWATA BAND | スキップ・ビート (SKIPPED BEAT) | 前田亘輝 | 栗林誠一郎 | 笹路正徳 | 1987/11/21 |
| 33 | 春畑道哉 | J'S THEME | 長渕剛 | とんぼ | ー | 春畑道哉 | 春畑道哉 | 1992/11/01 |
| 34 | MANISH | だけど止められない | TOTO | Girl Goodbye | 高橋美鈴 | 西本麻里 | 明石昌夫 | 1993/11/03 |
| 35 | MANISH | もう誰の目も気にしない | Chicago | Hard to Say I’m Sorry | 小田佳奈子 | 西本麻里 | 明石昌夫 | 1994/01/10 |
| 36 | BAAD | 君が好きだと叫びたい | Van Halen | Panama | 山田恭二 | 多々納好夫 | 明石昌夫 | 1993/12/01 |
| 37 | 小松未歩 | 謎 | Led Zeppelin | Trampled Under Foot | 小松未歩 | 小松未歩 | 古井弘人 | 1997/05/28 |
| 38 | 小松未歩 | チャンス | ZARD | 負けないで | 小松未歩 | 小松未歩 | 古井弘人 | 1998/08/19 |
| 39 | SARD UNDERGROUND | ダイナマイト サマーナイト | 大瀧詠一 | 君は天然色 | 神野友亜 | 小澤正澄 | 小澤正澄 | 2025/09/17 |
ここに記載したのは分かりやすいパクリの楽曲たちの一部で、部分的なフレーズの部分の引用といった分かりにくいパクリも含めればもっと多い。
パクリなのか!?オマージュなのか!?
パクリ問題で最も槍玉にあげられるのがB'z。彼らは日本一売れたアーティストであるため、そのやっかみや嫉妬もあってよく批判されるのだろう。表に記載した楽曲はごく一部で、パクったといわれている楽曲はもっと多い。B'zマニアの方が調べ上げたパクリ元ネタ一覧
パクリに対する有名なTAK(松本孝弘)の言葉が、次の通りである。
レコーディング中に作業を中断して、スタジオでビートルズのCDを片っ端から聴いていたときがあって、学生時代に聴いていた音楽を今あらためて聴くと、また違った印象を受けるものでしょ。 でも、10代の頃にどう思って聴いていたかは記憶の中にあるから、それと今を比べると、自分が受けた影響がはっきり見えてくるよね。 ビートルズにしても、レッド・ツェッペリンにしても、自分がダイレクトに影響されたものへと帰っていくっていうか・・・・・・そういう音楽がカッコイイとあらためて思える時期にきているんじゃないかなぁ。 よくいるでしょ、この曲のここはツェッペリンだな、とか言う人。 それをまるですごいことでも発見したように言う人、いるじゃない (笑)。 僕らはそういう次元ではやっていないんだけどね。 あくまで楽しんでやっていることだから。
(94年、The 7th bluesのインタビューにて)
(94年、The 7th bluesのインタビューにて)
この発言からも分かるように、彼らはあくまでも好きが高じ過ぎて、自らのルーツとなった楽曲や好きな楽曲のエッセンスを自らの楽曲に取り入れているというのだ。
主要なビーイング系アーティストアレンジを手掛けていた明石昌夫もZARDのアレンジについて聞かれたインタビューにおいて下記動画のようにB'zとB'z以外でそれぞれ好きなアーティストのフレーズを引用していた話をしている。
3:59~ Journeyの「Don't Stop Believin'」からロス・ヴァロリーのフレーズをパクった話
13:09~ Tje PoliceやAndy SummersをB'z以外で引用していた話
彼らに共通しているのは、「これをパクったらで売れるだろう」という打算的なものではなく、「自分が好きな楽曲のエッセンスを自らの楽曲で使いたい」という一人の音楽好きとしての思いが高じたものなのだ。
そもそも楽曲だけでなく、”ものづくり”は”模倣”から始まる。工業製品であっても農作物であっても動画制作でも何でもそうだ。そうは言っても、パクリは著作権違反だと言う人もいるかもしれない。そこはかなり人々の常識という名の尺度に依存せざるを得ない。だからこそ、B'zのことをパクリと批判する人もいれば擁護する人もいるのだろう。市井で議論しても結論は出ず、究極的には司法の判断になってしまうのだろう。そういう意味では、B'zが数多くの楽曲で引用したAerosmithに司法の場で訴えられるどころか、共演を果たしているのが全ての答えと言える。
過去の記事でも取り上げたが、明石昌夫はパクったと同時にアレンジをパクられた当人でもある。ELTの五十嵐充が自分のアレンジを模倣したことに対し、非常に肯定的な捉え方をしている。(下記動画参照)
ELT五十嵐充が模倣したことに対する明石昌夫の想い
もちろんメーカーにおいても特許を侵害することは許されないものの、技術を模倣して技術を高め合っていくように、楽曲制作においても模倣し合ってより洗練されていくものなのだ。
五十嵐充が明石昌夫のアレンジを模倣したことに関する詳しい解説記事はこちら↓
面白いパクリネタをピックアップ!
この章では、パクリネタを全て取り上げていたらキリがないため、筆者が面白いと感じたものをいくつかピックアップする。
7.もう一度キスしたかった
5枚目フルオリジナルアルバム「IN THE LIFE」収録
「IN THE LIFE」のキャンペーンで名古屋のTV局に出演したときのフリップ
このタイミングでのこのフリップはあえて引用を公言しているに等しい。
11.MR.ROLLING THUNDER
6枚目フルオリジナルアルバム「RUN」収録
14.Good-bye My Loneliness
1枚目シングル「Good-bye My Loneliness」A面
1990年のある日、フジパシフィックミュージックの朝妻一郎とフジテレビのドラマプロデューサー亀山千広(後のフジテレビ社長)が大滝詠一ののもとを訪ね、大滝詠一に『結婚の理想と現実』(91年)というドラマの主題歌を依頼した。しかし、返ってきた返答は「朝妻さん、今は俺よりも長戸大幸さんの方がすごく当たっているから、今は長戸大幸さんで行くべきだ」というものだった。 結果、本当に長戸大幸のもとにタイアップの話が舞い込んできて、実際にZARDのデビューにつながったというのだ(参照記事)。しかも、亀山千広が「ポリスの『見つめていたい(英題:Every Breath You Take)』のようなベースラインで」と頼んだと言われており、明石昌夫は実際にポリスの「見つめていたい」をパクったと言われている。
ということで、明石昌夫が「Policeが好きだったからパクった」と言っている話が記憶違いなのか、亀山千広が「ポリスの『見つめていたい(英題:Every Breath You Take)』のようなベースラインで」と注文をつけたという話が記憶違いかのどちらかは分からないが、どちらにせよ意図的にパクったことには違いない。
15.負けないで
6枚目シングル「負けないで」A面
「負けないで」と「Dream Time」の比較動画
葉山たけしも明石昌夫に負けず劣らず思いっきりパクっている。「負けないで」の前奏が流れた来たら思わず「ウ~ッ!」っと叫んでしまいそうになるときがある(笑)。
基本的にパクり元よりパクられた楽曲の方がカッコよく聴こえる。やはり日本人受けする味付けになっているからだろうか。本場インドのカレーより日本のカレーの方が日本人の舌には合っているのと同じだ。
19.星のない空の下で
2枚目アルバム「時の扉」収録
27.ROCKs
4枚目アルバム「永遠の夢に向かって」収録
36.君が好きだと叫びたい
3枚目シングル「君が好きだと叫びたい」A面
39.ダイナマイト サマーナイト
3枚目アルバム「故障した車」収録
2020年代になっても相変わらずビーイングの作家陣はパクリを楽しんでいるということの証左として取り上げた。
まとめ
ビーイング系アーティストは売れたが故に「この曲はパクリだ!」と批判を受けやすい。しかし、作家陣が好きが高じて洋楽のエッセンスを自らの楽曲に取り入れたという面が大きいということが分かった。もちろん訴えられるレベルであるとか、世俗一般的な倫理観に反しているというようなレベルのものは明らかにアウトである。しかし、”モノづくり”は模倣に始まる”ということは何かしらの制作や研究に携わったことがある人なら万人が経験したことがあるだろう。「このアーティストはこの人の影響を受けて模倣しているんだ」とか「この部分引用しているのか(・∀・)ニヤニヤ」とリスナーが楽しめる心の余裕をもって音楽を楽しむことができるようになれば良いのになぁなんて思いながら、この記事を締めくくる。このページの先頭へ戻る
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